クロアチアの忠臣蔵 オペラ紹介とウ ボイ和訳


 歌劇「ニコラ・シュービッチ・ズリーンスキー」は、1566年の8月20日から9月7日まで
19日間オスマン・トルコの大軍と戦って壮烈な戦死をとげ、クロアチアを救ったシゲット城
の太守ズリーンスキーの史実に基づいた国民的な英雄物語である。

 クロアチアの人たちは、終幕のウ ボイに手拍子して熱狂する。これほどの人気は 「さし
ずめ、クロアチアの忠臣蔵だ」と13年後に観劇の機会を得た軽部の弁。

歌劇のあらすじ

大国オスマ・ントルコは、ウイーン攻略の鍵となるクロアチアのシゲット城を手中に収め るべく3万の大軍で取り囲んだ。
1566年8月のことである。 トルコ軍は降伏を勧告するが、ズリーンスキー太守は断固、拒否する。
 対峙と小競合いの後、トルコ軍は総攻撃に打ってでる。
太守の愛娘イェレナは、許婚の青年将校ユラニッチに、もはやこれまでと死をもとめ許婚の手にかかる。
ズリーンスキー太守とシゲット城の勇士たちは、城門を開け放って敵陣の中に決死の突撃をする。

激戦だったシゲット城


戦場へ(U Boj)

いざ征かん刃ふるい 見せばや我が最期
町を焼く戦火せまれり 敵の声四囲にみつ
戦わん刃かざし 雄叫び敵をのむ
ズリーンスキーに別れを告げ つわものよ いざいでゆかん
来れ 我が敵
父なる祖国よいざさらば 母なるふるさと さらば
攻めくる敵を 屠りさらん
おのこ等征かん 美し祖国のために
銃砲もとどろに 海をも裂けよと
これみよわが手に するどき刃のきらめき
銃砲もとどろに 刃もするどに
雄叫び高らかに いざゆかん
(略)
雄々しく猛けびて 心ふるいたち<戦場へ>
(以下略)

和訳: 渡部尚   (昭和29年卆)
意訳: 浅野昭太郎(昭和25年卆)

敵陣に突撃する城兵

 


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